アパラチア山脈のカンバーランド高原の麓、テネシー川の畔に位置するこの町には、
新しいビジネス機会があふれていました。
1896年、ジョセフ・ロッジは鋳鉄所を創設します。その鋳鉄所は、彼が敬愛するジョセフ・ヘイデン・ブラックロック牧師にちなんで命名されました。当初は家族経営の小さな鋳造所で、ストーブ、鍋、台所の流しなどの製品を取り扱っていました。
LODGE ( ロッジ )社は10余年ごとにビジネスモデルを開発し、絶え間なく施設や鋳造法を改善しました。鋳造業は多くの労働力を必要とする事業であり、すべてのクックウェアは手作業で鋳込みや洗浄が行われていました。
1950年代には、新たな鋳型機の導入、砂運搬システムの機械化、鋳型用ガス火力アルミニウム溶鉱炉の建設による砂型生産、そして鋳造物洗浄機の導入が行われました。
1960年代には、新しいクックウェア用金属やコーティング法が導入されたことで競争力を上げました。
1970年に発令された大気・水浄化法により、アメリカ企業は汚染管理法に適合させるための新しい設備を導入するようになりました。LODGE ( ロッジ )社は旧電力溶鉱炉を廃止し、新しい鋳型機を導入することでこの基準に準拠させました。
旧式となった電気溶鉱炉から環境に優しい誘導炉に切り替えたことで、1991年はLODGE ( ロッジ )社にとって地球基準という意味で非常に重要な年となりました。磁気エネルギーによる熱発電により、ロッジ社は有害廃棄物大量生産企業から少量生産企業へと生まれ変わり、1994年テネシー州Governorsアワード有害廃棄物削減優秀賞を受賞しました。現在、LODGE ( ロッジ )社は有害廃棄物排出ゼロの鋳造所として、環境およびメーカー団体から称賛を得ています。
又、業界初のプレシーズニングされた鋳鉄クックウェアを導入したことで、2002年には4%であった市場シェアが現在では15%までに拡大しました。
新たなクックウェア分野にビジネスを拡張し、2011年にはLODGEエレメントステンレスセットとプレシーズニングされたカーボンスチール製クックウェアを導入しました。これらの新製品は、絶えず市場の好評を得ており、Bon Appetlt誌ではLODGEのプレシーズニングスチールが「キッチンの必需品」として掲載されました。
ジョセフ・ロッジは、1世紀以上前に始めた事業がこれほど認知されるとは想像もできなかったでしょう。LODGE ( ロッジ )社は今でも家族経営企業であり、アメリカで唯一の鋳鉄クックウェアメーカーとして、120種類以上のプレシーズニング鋳鉄製品を生産しています。
以来120年、LODGE ( ロッジ )の製品は沢山のお客さまに鋳鉄クックウェア部門で世界一と認められ、世界中のキッチン、レストラン、アウトドアでたくさんの人に愛され、今日もおいしい料理をつくり続けています。
アメリカ西部開拓時代の生活や旅の中で万能調理器具として使われてきたダッチオーヴン。
1950-60年溶かす鋳鉄を砂型に流し込む昔ながらの製法で作られていた。
昔ながらの製法を守りつつ、砂型の工法などオートメーション化が進んだ現代では、新品でも直ぐに調理が楽しめるシーズニング(初期慣らし)済み製品が生産されている。