ダッチオーブンで作るピザまん・チーズまん 鈴木アキラ レシピ監修

寒くなってくると、とたんに食べたくなるものがある。
肉まんはそのトップではないだろうか。素手で持てないほどのアツアツの肉まんにかじりつけば、中からの湯気でメガネが真っ白に曇る(ラーメン屋の暖簾をくぐった時も同様)。この時のメガネの曇りほど幸福を表しているものはないと、眼鏡使用者の僕は思っている。
今ではコンビニエンスストアでほとんど1年中、肉まんとその仲間たちが売られているが、自分で作ると味は格段に違う(そりゃ、そーだ)。
まず皮が違う。外側がしっかりしていて中はフンワリ。フンワリしていながらもモッチリした腰がある。決定的な違いはまずここだ。餡(具)も市販のものは、いくらメーカーが頑張って工夫して作っても、あくまで「大量生産の市販品」の味しかしない(横浜の中華街で売られているものには、おいしいものがあるけれどなかなか行けないし)。
そんなわけで、見た目はブサイクでも、やっぱり手作りにかなうものはないなあと思ってしまうのだ。それに、形など数さえこなせばすぐに上手になる。今回はベーシックな餡の肉まん、特製ピザまん、そして大人のチーズまんの3種類を作ってみた。肉まんには干しホタテと干しエビ、干しシイタケをタップリ使ってこれでもかという旨味を出している。ショウガも強めに効かせてある。豚肉も挽肉は使っていない。ブロックの豚バラを叩き、みじん切りにして使っている。この一手間によって肉の大きさにバラツキがでて、歯ごたえも楽しい。
特製ピザまんはピザの王道ともいうべきマルゲリータのトッピング(チーズ、トマト、バジル)をそのまま具に使った。トマト、バジルはペーストやドライハーブではなく、もちろんフレッシュなものを使用している。大人のチーズまんは、これもピザで人気のクワトロフォルマッジョ(4種のチーズ)を具に使用。ゴルゴンゾーラ(ブルーチーズ)の香りと味が強烈に主張して「子供には無理かも」と思ってしまうくらいの仕上がりだ。
肉まんなどの蒸し物はセイロを使うのが普通だが、ここでもダッチオーヴンはそのパワーを遺憾なく発揮する。重いフタのおかげで中にこもった蒸気が高温高圧になり、セイロに比べて非常に速く仕上がる。セイロはフタが竹製のかご状になっていて、ある程度蒸気が抜けるようになっているが、あれは店などで蒸しっぱなしで長時間置くための工夫であって、短時間で一気に蒸し上げたい時には、ダッチオーヴンが実はベストの道具なのだ。
焚き火と温かい食べ物が恋しくなるこの季節、キャンプでアツアツの肉まんを楽しんでいただきたい。
材料
【皮】 
・強力粉 150g
・薄力粉 150g
・ドライイースト 10g
・塩 3g
・砂糖 20g
・ごま油 大さじ1
・ぬるま湯 160cc
※薄力粉(打ち粉用) 分量外適量
【餡】
●肉まん
・豚バラ肉ブロック 250g
・干しシイタケ 2個
・干しホタテ 8個
・干しエビ100cc分
・ホウレンソウ 2束
・白菜 1/8
・しょうが絞り汁 小1個分
・長ねぎ 1/2本
・煮タケノコ 1/2個
・オイスターソース 大さじ2
・ごま油 大さじ1
・醤油 大さじ1/2
・豆板醤 小さじ1
・XO醤 小さじ1
●ピザまん
・ピザ用ミックスチーズ 50g
・トマト 1個
・バジルの葉 4枚
・コショウ 少々
●チーズまん
・ゴルゴンゾーラ 10g
・エメンタール 10g
・モッツァレラ 10g
・リコッタ 10g
・コショウ 少々
※蒸し器に敷くためのレタス 1個
【その他の道具】
・蒸し器
・のし板(今回は画板で代用)
作り方
・干しシイタケ、干しホタテは水に浸して戻しておく(30分程度)
・粉はあらかじめ金ザルなどでふるっておく
1)強力粉・薄力粉を合わせてふるってボールに入れ、ドライイーストを混ぜ合わせる
2)砂糖、塩を加え混ぜ合わせ、ぬるま湯を少しずつ足しながら10~15分かけてしっかりとこねる
3)生地がまとまったら真ん中をくぼませ、ごま油を加えてからさらにこねる。ごま油が生地全体に行き渡るようにすること
4)ボウルに入れ、ラップフィルムをかけて発酵させる。生地が2倍くらいに膨らんだら発酵完了。今回は外気温が低いため下にぬるま湯を入れたクッカーを置いて温度を調整している
5)ここからは餡作り。刻んだ白菜には軽く塩を振ってしんなりさせておく
6)ホウレンソウはさっと茹でる。湯通しする程度で、茹ですぎないことが肝心
7)タケノコ、長ネギはみじん切りにする
8)豚バラ肉を包丁2本使って、挽肉の1歩手前になるまで叩く。叩きまくるといった感じが適切かな。大きさはまちまちで構わない
9)戻した干しシイタケは薄切りにする。戻した干しホタテは細かくほぐしておく
10)餡の材料をすべて混ぜ合わせ、醤油、オイスターソース、豆板醤、XO醤などで味付ける。好みによって豆板醤、XO醤はなくても可。味は少し濃いめくらいでちょうどいい
11)発酵の終わった生地を細長くのばして8等分にする
12)生地を丸める。生地の表面が乾かないように作業は手早く。丸めた生地にはラップフィルムをかけて乾燥を防ぐ
13)平に伸ばした生地で餡を包む。厚いところと薄いところができないように生地を伸ばすのが多少難しい。でもすぐ慣れる。ひだをよせながら包み、最後はきっちりひねってとめる
14)肉まん、チーズまん、ピザまんなど種類が多い時には水に溶いた食紅で印を付けておくといい
15)ダッチオーヴンで湯を沸かし、蒸し器に乗せた肉まんほかをセット。フタをして強火で蒸す(10分程度)。蒸し器にはレタスの葉を敷いておくと肉まんがくっつかない。出来上がりのチェックは金串を刺してみる。熱かったらOK!
16)出来上がり! アツアツのうちにどうぞ!
ワンポイント

・寒い季節は屋外で上手に発酵させるのがなかなか難しい。お湯を張ったクッカーの上にボウルを乗せて下から温めるといい。携帯用カイロの上にボウルを乗せ、全体をタオルでくるむのも手。
・外気が低い時にはクーラーボックスに生地の入ったボウルと携帯用カイロを入れて保温してもいい。カイロに酸素を供給するために様子見も兼ねて時々フタを開けること。
・屋外は生地が乾きやすいので作業は迅速に。発酵中や作業の合間などはラップフィルムなどをかけること。
・蒸したものが余ってしまったら1個ずつラップフィルムをかけ冷凍庫で凍らせれば保存が可能。次回そのまま蒸せばいいだけ。
・特製ピザまんはフレッシュバジルがないなら作らない方がいい。切ない思いをすることになる。
・大人のチーズまんはゴルゴンゾーラ以外はあまりこだわる必要なし。ゴルゴンゾーラも他のブルーチーズと換えてもいい

レシピ監修

鈴木アキラ

アウトドアライター。アウトドア雑誌やキャンピングカー雑誌、自動車雑誌等に寄稿。特に野外料理系の仕事が多い。アウトドアイベントの講師をはじめ、テレビやラジオの仕事も多く、ラジオ番組「電話子供相談室」の回答者にもなったりもするが、家にはテレビがない生活。
青森育ちでネイティブに東北弁を使いこなすほか、沖縄好きが高じてウチナーグチ(沖縄方言)もオバアと会話できるほどに。田舎のオバアチャンたちに郷土料理の作り方を教わるのが大好き。
「野外料理超簡単レシピ555」「キャンプで活躍! ナイフ・ナタ・斧の使い方」「これだけは知っておきたい サバイバル術食入門」「燻製&保存食作り入門」(いずれも山と渓谷社)など著書多数

今回使用した製品
  • キッチンオーヴン10 1/4インチ

    ロッジ社の多年にわたる研究により、すぐに使える慣らし済みダッチオーヴン「ロッジロジック」長年使い込んだもののように表面がコーティングされ風格ある製品に仕上がっています。カバーは スキレット 10 1/4インチと共用が可能です。

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