簡単カレーとターメリックライス 鈴木アキラ レシピ監修

日本人はカレーが大好きで、キャンプでカレーを作るという人も少なくない。しかし、たいていは市販のカレールウを使って作っているのではないだろうか。今回はスパイスから作るカレーを提案したい。
カレーを「売り」にしているレストランでは「うちでは何十種類のスパイスを使い、 何ヶ月も寝かしてなじませてから使っています」というところもあって、そんな話を聞いてしまうと「スパイスから作るカレーなんて時間も手間もかかって自分には無理」と思ってしまうに違いない。でもそんな心配はまったく無用だ。
今回の料理の最大のポイントは、スパイスはパウダーではなくホール状のものを使い、そして作る直前に挽くということ。コーヒー好きで挽きたてのコーヒーを飲んだことのある人にはわかってもらえる思うが、あらかじめ挽いた豆で煎れたコーヒーよりも、煎れる直前に豆を挽いたコーヒーの方が断然うまい。香りを大切にするカレーという料理もまったく同じことが言えるのだ。石臼がなくてもコーヒー用のミルがあれば充分だ。
今回使用するスパイスはクミンシード、カイエンペッパー、コリアンダーシード、ターメリック、ナツメグ、カルダモン、クローブ、シナモン、オールスパイスの全9種類。しかし、最低限というのならクミンシード、カイエンペッパー、コリアンダーシード、ターメリックの4種類でもいい。クミンはいわゆるカレーの香りの元になるスパイスで、これを使うとどんな料理でもカレーフレーバーにすることができる。辛さはないので子供用のカレーを作りたい時にも最適だ。カイエンペッパーは一味唐辛子。これで辛さを調整する。ほかの全ては香りの元。使う種類が少ないほどそのスパイスの特徴が表に出るし、逆に使う種類を多くするほど香りと味は複雑になる。このバランスをみながら自分の好みのオリジナルブレンドを作ればいい。インドではクミンとターメリックを使っていればカレーと呼ぶという。
難しいことは考えず、とにかく一度でもスパイスから作ってみてほしい。こんな簡単なことだったんだと思うだろうし、普段食べているルウのカレーとの違いや、その香りの強烈さ、おいしさにビックリするだろう。
材料
・タマネギ:4個
・ショウガ:大3~4個
・トマト水煮缶:2個
・鶏肉:400g
・サラダオイル:大さじ4(タマネギと鶏肉を炒めるのに大さじ2ずつ使用)
・米:3合
・クミンシード:大さじ2
・カイエンペッパー:小さじ1/2
・コリアンダーシード:小さじ1
・ターメリック:小さじ2
・カルダモン:小さじ1
・ナツメグ:小さじ1
・クローブ:小さじ2
・シナモン:小さじ2
作り方
・カレーに使うタマネギはみじん切りにするか、すりおろすかして、飴色になるまでじっくり炒める。これに一番時間がかかるので、当日時間がないならあらかじめ準備しておくのも手
・鶏肉は細切れにしておく
・米は研いで水に浸しておく
・オニオンフライに使うパルミジャーノはおろし金ですり下ろし、粉にしておく
・オニオンフライに使う衣は氷などで充分冷やしておく
1)みじん切りにした(もしくはすりおろした)タマネギ(1個分)をサラダオイルで炒める。強火にせず、じっくり炒める。少量の水を足してフタをし、蒸し焼きにしてもいい。ポイントは決して焦がさないこと。
2)スパイスを挽いて粉状にする。ナツメグなどの大きくて固いスパイスは袋に入れて、 テントのペグ打ちに使うような木槌で叩き、ある程度細かく割ってから挽くといい。粗挽きしてから細かく挽くのがベスト。
3)粉状にしたスパイスを混ぜ合わせて乾煎りする。子供用に辛くしたくない場合はカイエンペッパーを入れない。香りが立ってきたらすぐ火から下ろす。炒り過ぎると肝心の香りが飛んでしまうので注意すること。
4)細切れにした鶏肉を炒める。今回は鶏肉を使っているが、牛や豚、羊などの肉でも構わない(宗教上の制限がある人は別)。挽肉でもいいし、鶏肉は骨付きでもいい。
5)1のタマネギ、4の肉、トマト水煮缶、みじん切りしたショウガを混ぜ合わせて煮込む。ショウガはスパイスを加えるときまで半量を残しておく。
6)3のスパイスとみじん切りしたショウガの半量を加えて煮込む。辛さが足りないとき にはカイエンペッパーで調整する。味見をしながら入れ過ぎには注意すること。
7)ターメリックを溶いた水を使ってご飯を炊く。パラパラなご飯が好きな人はタイ米を使うといい。ターメリックは日本では「うこん」と呼ばれ、肝機能向上に効果があるといわれている。
8)盛り付けて完成。
ワンポイント

・スパイスはパウダーではなくホール状のものを使用して、作る直前に挽くこと。
・スパイスは種類が少ないほどそのスパイスの特徴が表に出る。
・スパイスの種類を多くするほど香りと味は複雑になる。
・スパイスは炒りすぎると香りが飛んで台無しになってしまうので注意すること。
・ショウガは熱し続けると香りが飛びやすい。香りを大切にしたいなら火を止める寸前に加える。ショウガの辛さと香りを引き立てるためには最初と最後に半分づつ加えるといい。
・タマネギは絶対に焦がさないこと。ダッチオーブンのフタを頻繁に開けると高圧調理の効果が薄れるが、焦がすよりはいい。
・軽いロースト臭(焦げの香り)が欲しいならコーヒーを加えるといい。
・スパイスは密閉容器に入れて冷暗所に保管する。
・スパイスを挽くのに使用したミルは、使用後すぐに分解して洗い、消毒用アルコールを吹きかけて消臭しておく。それでも次の1回目のコーヒーはスパイスの香りがある程度するが、それも愛嬌。カレー好きなら専用のものを用意しておくことをお薦めしたい。

レシピ監修

鈴木アキラ

アウトドアライター。アウトドア雑誌やキャンピングカー雑誌、自動車雑誌等に寄稿。特に野外料理系の仕事が多い。アウトドアイベントの講師をはじめ、テレビやラジオの仕事も多く、ラジオ番組「電話子供相談室」の回答者にもなったりもするが、家にはテレビがない生活。
青森育ちでネイティブに東北弁を使いこなすほか、沖縄好きが高じてウチナーグチ(沖縄方言)もオバアと会話できるほどに。田舎のオバアチャンたちに郷土料理の作り方を教わるのが大好き。
「野外料理超簡単レシピ555」「キャンプで活躍! ナイフ・ナタ・斧の使い方」「これだけは知っておきたい サバイバル術食入門」「燻製&保存食作り入門」(いずれも山と渓谷社)など著書多数

今回使用した製品
  • キャンプオーヴン 12インチ

    キャンプ用の脚付きのダッチオーヴンです。フタには炭を乗せられるようにふちが付いていてローストビーフやデザートの上火調整も可能です。

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