ブラウニー 鈴木アキラ レシピ監修

仕事にジェンダーは関係ないし、パティシエに男性が多いのも知っている。さらに言えば、僕は甘いものも大好きだ。しかし、生クリームたっぷりで、フルデコレーションされた可愛らしいケーキを作る気になれない。「ゴツイお前が、これを? 似合わね~!」と笑われてしまうのがオチだからだと思う。加えて、スポンジケーキを上手に焼くのは結構難しいし、何種類もの材料を使って、何工程もかけて作るのはなかなか面倒だ。しかも野外で作るとなると、準備段階も含めて、工程はできる限り簡単に済ませたい。と考えると、アウトドアのスイーツは僕の場合、やはりブラウニーに落ち着くのだ。焼き菓子だから常温保存でも大丈夫。野外向きで、ハイキングのレーションにも最適だ。パウダーシュガーなどを使えば、見栄えをオシャレにすることもできる。アメリカではシェービングフォームのようなボトル入りのホイップクリームや、バニラアイスを添えたりする。ごってりした甘いのが好きな人はお好みでどうぞ。僕はしないけど。

ダッチオーヴンは煮る、蒸す、焼くと様々な調理が可能な多機能鍋として人気だが、本来はその名前の通りに「オーヴン(オーブン)」として、野外でパンを焼くために作られた道具だ。当然、今回のようなお菓子やケーキを焼くのにも適している。キャンプオーヴンを買ったならば、是非上下から熱するオーブン料理にチャレンジしていただきたい。オーブン料理は上火と下火のバランスが肝心だが、ポイントは「下火は弱火」だ。ケーキのように糖分が多いものの調理の場合、火が強いと必ずといっていいほど焦がすことになる。くれぐれも注意のこと。
材料
・小麦粉((薄力粉)200g
・砂糖200g
・バター100g
・ココアパウダー100g
・卵4個
・むきクルミ200g
・干しブドウ200g
・オレンジピール大さじ3
・サラダオイル大さじ2(オーブンペーパーを使用しない)
作り方
1. 常温で柔らかくしたバターと砂糖を混ぜ合わせる。
2. 卵を加えてよく混ぜる。
3. 小麦粉を加えてよく混ぜる。ダマにならないように網などでふるいながら加えること。
4. ココアパウダーを加えてよく混ぜる。
5. 干しブドウを混ぜ合わせる。
6. 粗く刻んだクルミを混ぜ合わせる。
7. オレンジピールを混ぜ合わせる。
8. オーブンペーパーを敷いてから生地を均等に流し込む。オーブンペーパーやアルミホイルがない場合には、焼き上がってから型から剥がしやすくするため、ダッチオーヴンの内側にサラダオイルか溶かしバターを塗ること。
9. ダッチオーブンの上下から熱を加えて焼き上げる。さっくりと焼き上げたい時には中火で30分程度。みっちり硬めに焼き上げたい時には弱火で1~1.5時間。
10. 途中でフタを開けて時々チェック。箸を刺してみて濡れた生地が付いてこなければ出来上がり。写真はまだ焼き上がっていない状態。
11. 焼き上がってから軽いデコレーションをしたい時には、パウダーシュガーを茶こしで振りかける。
ワンポイント

【POINT】
・オーブン料理は火加減が肝心。下火は弱火、上火は強火が基本だ。なぜなら、鍋底は食材と触れ合っているが、フタと食材の間には空間があるからだ。下火を強くすると焦がすことになるので注意のこと。
・同じ生地でも焼く温度と時間によって舌触りが全く違う。自分の好きな感じを探して欲しい。さっくり仕上げたいなら比較的高温(中火)で短時間、みっちりねっとり仕上げたいなら低温で長時間調理するといい。
・10インチキャンプオーヴンで、チェコールブリック(豆炭)を使用する際の「中火」は下火が4~5個、上火が8~10個。途中で火力が落ちてきたら、チェコールブリック表面の燃え終わった炭の粉を落とす。
・今回はオーブンペーパーを使用したが、ロッジでは10インチと12インチ用の「ダッチオーヴン用アルミホイルライナー」もリリースしている。使う際には内側にサラダオイルか溶かしバターを塗ってから使用するといい。

レシピ監修

鈴木アキラ

世界各地のおばあちゃんから、地元料理の作り方を教えてもらうのが大好きなアウトドアライター。
小学校低学年の頃から、タマネギを刻んでパスタソースを作るような凝り性であったが、今はとにかく「わかりやすい分量で、簡単に作れて美味いもの」しか、作りたくない野外料理人。
さらに「飲みながら作る料理が最高!」と思っている。「アウトドアで活躍! ナイフ・ナタ・斧の使い方」(山と渓谷社)をはじめとして、野外料理の著書も多数。

撮影
笠原 修一

今回使用した製品
  • キャンプオーヴン 10インチ

    キャンプ用の脚付きのダッチオーヴンです。フタには炭を乗せられるようにふちが付いていてローストビーフやデザートの上火調整も可能です。

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