焚き火ベーコンのダッチロースト仕上げ 長野修平 レシピ監修

Road Movieの主人公が敵に追われ森に身を隠す。夜は寒いから木を拾い集め火を起し、煮出しコーヒーをすする。腹が減ったから野ウサギを獲って焚き火で炙り、そのままナイフで削いで口に運ぶ。そんな映画のワンシーンに憧れて始めたのが直火でナチュラルスモークしながら仕上げる焚き火ベーコン。家で4日間漬け込んだ豚バラ肉を常温のままフィールドへ持ち込み、焚き火の上へ吊って炙る。ただただ薪を拾ってきて焚き火を育て、その上へ丸2日間吊るしておくだけのシンプルな料理であり保存食でもある。今回はそのナチュラルスモークのエッセンスを活かしつつ、ダッチオーブンのローストで短時間に確実に仕上げる方法を伝授する。
材料
豚バラ肉ブロック 3kg
漬け込みブレンド塩
・海塩 120g
・三温糖 60g
・黒胡椒ホール20粒
・赤唐辛子 5本
・ローリエ 5枚
・ニンニク 2片
吊り下げ用にステンレスのS字フック4個
作り方
※漬け込み
まず、ニンニクと黒胡椒はナイフの腹で潰してから粗切りに。
その他のブレンド塩の材料と良く混ぜ合わせる。
ブレンド塩を肉へまぶし、密閉ビニール袋などへ入れて空気を抜いて口を閉じる。
そのまま4日間15℃前後の常温で寝かす。
1. 4日間漬け込んだ肉へS字フックを刺す。豚バラ肉の繊維を縦方向にし、上下の端へ各2ヶ所計4個を刺し通してつける。
2. 焚き火を中心に立てたトライポットの上からステンレスの鎖を2本垂らし、焚き火から程良い高さの鎖位置へ肉につけたフックを通して下げる
3. 焚き火の炎が肉へ直接当たらないようにしながら、火から上がる上昇気流で熱風乾燥させるように。
4. 風向きを見つつ煙が肉へ当たるよう、火のついた薪を移動させつつ2時間程度見守る
5. 表面が乾燥してきたら、プレヒートしたキャンプオーブン14インチへ脂身側を下にして入れ蓋をする。
6. 熾火の上へ置き、蓋の上に火のついた薪を載せて一気に強火で15分ほどロースト
7. 肉の中心温度が40〜45℃になったらダッチオーブンから取り出す
8. 再び焚き火上へ吊るす。
9. 遠火で約2時間ほどナチュラルスモーク。仕上がりの目安は肉の端を手に持って横向きにし、肉がだれずにピンと横に向くほどになっていることだ。
10. 大きめの包丁で薄く切りそのままいただくか、少し網で炙って食べるのがいい。一晩休ませると綺麗なピンク色に発色し、出来立てとは違ったベーコン本来の旨味が出てくる。
ワンポイント

ワンポイント
・漬け込んで2日目くらいに袋を揉んだり、袋の上下を替えたりすると満遍なく浸かる。
・漬け込んだ袋入りの肉はクーラーBOXに入れるなどすると温度管理がしやすい。
・吊るし炙り中に肉の脂が流れ落ちる場合、そこに火が着くと炎が立ち上がり肉が焦げる場合がある。脂が流れてきたら真下の薪は肉の周囲へ移動する。また、流れた脂は旨味たっぷりなので、下にシェラカップなどを置いて脂を受け、パンに塗ったりチャーハンやスープに使ったりしよう。
・出来上がったベーコンは粗熱が取れるまで休ませてからの方が切りやすく味も落ち着く。
・保存する場合は綺麗なサラシに巻いて余裕のある大きめのタッパなどに入れる。表面に水分があると長持ちしない。表面が乾燥した状態を保つと1月以上保存出来る。

レシピ監修

長野修平

クラフト作家・焚火&野外料理人

NATURE WORKS 代表

北海道苫小牧の山菜料理店に生まれ、幼いころから北の原野で山菜取りを手伝い、調理場では刃物を握って遊んでいた。そんな記憶を辿るように、自然と刃物と共にあるアウトドアと暮らしを実践。自然の素材やリユース材でアウトドアツールから暮らしの道具までも作り、その醍醐味と奥底にあるメッセージをイベントやワークショップ、SNSや地上メディアで伝える。

FACEBOOK:https://www.facebook.com/syuhei.nagano

Twitter:https://twitter.com/syuheinagano

今回使用した製品
  • キャンプオーヴン 12インチ

    キャンプ用の脚付きのダッチオーヴンです。フタには炭を乗せられるようにふちが付いていてローストビーフやデザートの上火調整も可能です。

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